ウエスト・サイド物語
WEST SIDE STORY
(1961年 アメリカ 151分)
2007年12月22日から12月28日まで上映 ■監督 ロバート・ワイズ(『サウンド・オブ・ミュージック』)/ジェローム・ロビンス
■原作 ジェローム・ロビンス/アーサー・ローレンツ
■脚本 アーネスト・レーマン
■作曲 レナード・バーンスタイン
■タイトルデザイン ソウル・バス

■出演 ナタリー・ウッド/リチャード・ベイマー/ジョージ・チャキリス/リタ・モレノ/ラス・タンブリン

ティファニーのショーウィンドウの前でクロワッサンを食べるホリー(オードリー・ヘップバーン)の姿が印象的な『ティファニーで朝食を』。この作品の舞台はニューヨークのアッパーイースト。そして公開も『ウエスト・サイド物語』と同じ1961年である。

人種・民族・思想・文化が混在する都市、ニューヨーク。そこに暮らす人々の人間模様は様々だ。両作品から感じられるニューヨークの匂いは、驚くほどに異なる。

資本主義国家の盟主として君臨し、右肩上がりの豊かさを誇っていた当時のアメリカ。しかしその一方で深い暗闇を抱いていたことを、アメリカの中心、ニューヨークを舞台に、『ウエスト・サイド物語』は鮮烈に描き出している。

Life can be bright in America
If you can fight in America
Life is alright in America
If you're all white in America
            (ウエスト・サイド物語「AMERICA」より)

ニューヨークのダウンタウン、ウエスト・サイドでは、ベルナルド率いるプエルトリコ系移民のシャーク団と、リフ率いるヨーロッパ系移民のジェット団の二つのグループが対立し、不毛な衝突が繰り返されていた。

そんな中、ある夜開かれたダンスパーティーで、ベルナルドの妹マリアとジェット団の元リーダーのトニーは運命的な出会いを果たす。 そして二人は許されぬ恋に落ちていくのだった…

苦悩、葛藤、悲哀、赫怒、愛憎――
複雑な感情が絡み合い、紡ぎ出される旋律は、時代を超えて私たちの心に突き刺さる。さらには若さみなぎるダイナミックなダンス。後世に残していきたい一本を挙げるならば、間違いなくこれだ。さあ、21世紀の最先端後術で甦ったこの青春の躍動を、遺伝子に刻もうか。

(タカ)



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