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★この週に限り一本のみの上映。ラスト割引はありませんのでご了承ください。

映 画の魅力──

例えばそれは、憧れの映画スター。例えばそれは、心揺さぶられるストーリー。日常では体験できないスペクタクル、いつまでも耳に残る美しい旋律、目を見張る華やかな衣装や美術、そして忘れられない名セリフ。これらが観る者全てをスクリーンに釘付けにし、別世界に誘ってくれる。そして映画ファン一人一人の胸の中で永遠に輝き続ける…。制作から60年余りを経てなお、その魅力が失われず世界中の映画ファンに愛されつづけている作品、それが『風と共に去りぬ』。

南北戦争前後のジョージア州アトランタを舞台に、力強く生きる女性スカーレット・オハラの半生を描いた大河ドラマ。青年アシュレーに恋する大地主の娘スカーレット。しかしアシュレーは従姉妹のメラニーと婚約してしまう。その腹いせにスカーレットはメラニーの兄と結婚する。そんなスカーレットに好意を抱くレット・バトラー。初めは反発していたスカーレットだが、徐々にレットの強引な愛情に惹かれていく…。

この作品の人気の理由は、なんといってもヒロイン、スカーレット・オハラの愛すべきキャラクターであろう。この配役には作品が成功するか否かがかかっていた。多くの女優がこの役を求めオーディションを受けたがスカーレットに相応しい女優は見つからなかった。しかし映画の神様のお導きか?恋人ローレンス・オリビエを追ってハリウッドに来ていたイギリスの女優、ビビアン・リーが敏腕プロデューサー、セルズニックの目にとまり、めでたくスカーレット役が決定したというのは有名な話。この配役の為に9万2000ドルの費用、2年4ヶ月の歳月が費やされた。レット・バトラー役にも多くの候補者がいたが、原作者マーガレット・ミッチェルもこの人をモデルに書いたというクラーク・ゲイブルを起用。映画史に残る名演技をフィルムに焼き付けることとなった。

ジョージ・キューカーを監督としてスタートした撮影は、セルズニックの目指す作品の方向性とのズレにより、結局何人が演出に関わったのか定かではない、と言われるまで交替が繰り返された。又、十数人の脚本家に高額なギャランティを支払いながら書かれた脚本も、撮影終了時まで変更されつづけたという。

難航を極めたキャスティング。監督の交替劇。膨れ上がる制作費。スタッフ・キャストの確執。過酷な撮影現場。この大作の前に立ちはだかった数々の苦境やトラブル等の話は枚挙に暇が無い。本作の影の(真の)監督と言われたセルズニックをして「二度と作る事が出来ない」と言わしめた程だ。しかしこれは裏を返せば、関係者全員が「凄いものを作ってやろう」と意気込んでいたことの証。事実、後の映画製作に大きな影響を与えつづけている。だからこそ今日でも我々の目を引きつけて止まないのであろう。

1939年、ハリウッドの当たり年。映画史に残る名作が多く作られた。その最高峰に君臨する『風と共に去りぬ』。映画ファンならば、観ておかなければいけない作品。そして、「映画を観る」ということの歓びを再確認させてくれる至福の4時間。是非、スクリーンで!

(オサム)

道

GONE WITH THE WIND
(1939年 アメリカ 234分)
2006年6月1日から6月9日まで上映

■監督 ヴィクター・フレミング
■製作 デヴィッド・O・セルズニック
■脚本 シドニー・ハワード
■出演 ヴィヴィアン・リー / クラーク・ゲイブル / レスリー・ハワード
■1939年アカデミー賞10部門受賞
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(c)Metro-Goldwyn-Mayer

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