シュリ
SWIRI
(1999年 韓国 124分)
2003年11月29日から12月5日まで上映 ■監督・脚本 カン・ジェギュ
■出演 ハン・ソッキュ/キム・ヨンジン/チェ・ミンシク/ソン・ガンホ/ユン・ジュサン

★本編はカラーです

(C)シネカノン

韓国の情報部員ユ・ジョンウォンは結婚を一ヵ月後に控えていた。彼は最近多発する一連の事件の裏に以前から追跡している謎の女スナイパーの影を感じていたが、遂に驚異的な破壊力を誇る液体爆弾CTXを強奪されてしまう。そして同じ頃、ソウルでは韓国と北朝鮮両国主席が列席するサッカー南北交流試合の準備が進んでいた。

韓国では全国民の7人に1人が観たという空前の大ヒットを記録し、さまざまな社会現象を引き起こし、シュリシンドロームという言葉まで登場した 超話題作。

「チーズとコーラ、ハンバーガーで育った者には俺たちの気持ちはわかるまい」と韓国情報部員(ハン・ソッキュ)は相手にこう詰め寄られるが、このセリフが作品の意を充分に表しているようだ。

とにもかくにもこれまでの日本での韓国映画のイメージを覆してしまった記念すべき第一作である。アメリカ映画を心憎いまでに研究、コピーしこれでもかといわんばかりの手法で責めてくる。

picそして欧米の映画には真似できない、単にアクションの枠に収まらず南北分断という深いテーマの苦しみがヒシヒシと伝わってくる。

シュリとは朝鮮半島固有の淡水魚の名であるが、これは韓国でなければ創りえなかった作品であり、日本の映画作家たちに地団駄を踏ませたと言われるほどショッキングな作品の出来は、今振り返ってみても充分にそのエネルギーを感じることが出来る。

(WING)


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JSA
JSA: JOINT SECURITY AREA
(2000年 韓国 110分)
pic 2003年11月29日から12月5日まで上映 ■監督・脚本 パク・チャヌク
■原作 パク・サンヨン
■脚本 キム・ヒョンスク/チョン・ソンサン/イ・ムヨン
■出演 ソン・ガンホ/イ・ビョンホン/イ・ヨンエ/キム・テウ/シン・ハギュン

(C)シネカノン

2000年9月9日に韓国で公開された『JSA』は、過去最高だった前年の『シュリ』の観客動員記録を破っただけではなく、作品としても高い評価を受けた。これにより、『シュリ』によって始まった韓国映画のイメージ革命がきれいに終結したといってもいいのではなかろうか。

picプロデューサーのシム・ジェミョンによれば、「取り上げにくい素材であるが、分断による痛みは韓国人皆が胸の内に持っているもの…これを表に出して完成度の高い映画にしたので多くの人から共感を得ることが出来たのではないか」との事。

ある晩、南北朝鮮を分断する板門店で殺人事件が発生。南北双方の陳述書は全く異なり、事件の解明は韓国人の血をひくスイス軍、女性将校ソフィーにゆだねられた。

pic彼女は両国の思惑から離れ独自に双方の当事者スヒョクとギョンピルの取調べを進める。そんな中スヒョクは、偶然に始まった、あってはならないはずの敵同士の交流を思い出すのだった。

歩哨所での無邪気な密会が続くもののスヒョクの除隊で別れを惜しむ四人の兵士だが、その密会の現場を北の兵士に目撃されてしまう。そして事件が起きてしまっのだ。

pic監督のパク・チャヌクは過去に2本の長編しかない監督だが、最近の韓国映画はその多くが初メガホンであったり、それに近い新人監督によって撮られている。韓国映画界の躍動はこんなところからも感じる。

(WING)



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