悩んで、苦しくて、辛い時って、
誰かに会いたいって思いませんか?
人って不思議なもので、誰かがそばにいるだけで落ち着いたり、
誰かに話すだけで元気が出たり、誰かの笑顔を見るだけで明るくなったりしますよね。
「あなたがいるから、生きてゆける。」
大げさだなって笑われるかもしれませんが、本当にそう思う時があるんです。
今週はそんな"あなた"の存在の大きさを感じる作品、
「アントキノイノチ」と「ツレがうつになりまして。」の二本立てです。
「アントキノイノチ」は『遺品整理業』という仕事を通じ、
命を奪った杏平(岡田将生)と、命を守れなかったゆき(榮倉奈々)が“あの時の命”と向き合い、
成長し未来へ踏み出す、ズバリ、命の物語です。
劇中に登場する二人の職場「クーパーズ」は、実際にある2002年創業の日本初の遺品整理専門会社
「キーパーズ」がモデルになっています。
キャッチフレーズは、「天国へのお引越しのお手伝い」。
最近では身内が居るにも関わらず、第三者からの依頼が来ることも少なくないそうです。
自分が生きることで精いっぱい。他人のことには無関心。
そんな冷たい社会で生まれ、亡くなった方の荷物のみならず、気持ちまで整理する仕事。
人は一人では生きていけないと言いますが、死んだ後も、誰かの支えが必要なのだと思わずにいられません。
一方、「ツレがうつになりまして。」は、うつ病にかかってしまったツレ(堺雅人)と
ハルさん(宮�アあおい)の実話をもとにした夫婦の愛の物語です。
このうつ病、日本では2000年前後から増加傾向にあるそうで・・・。
ストレス社会に心を病まない人はいないのですね。
しかし厄介なのは、症状や原因は人それぞれで、対処法まで世間ではあまり知られておらず、
なかなか理解されにくい病気だということです。こんなにも流行している心の風邪なのに。
だからこそ、良き理解者が必要なのです。「仕事辞めなきゃ、離婚する」なんて言ってくれるような。
一緒に寝そべって亀みたく上に乗っかっちゃうような・・・。笑
悩み、苦しんだ先に見えるのは、希望でしょうか絶望でしょうか。
どんなに強い人間だって、つらい時はあります。
心が悲鳴をあげてしまったら、壊れるまであっという間です。
心を閉ざしてしまった者にとって、「一人じゃない」と思えることほど、
救いになる事はないのだと思うのです。少しでもいいんです。
話したり、隣にいたり、それだけで世界が変わるような、そんな気がしてなりません。
「生きていく。あなたがいるから。」
もしかしたら、生きるって、こんなに単純なことなのかもしれません。
杏平にはゆきが、ゆきには杏平が。ツレにはハルさんが、ハルさんにはツレが。
きっと、あなたにもいる誰か。その誰かを想って生きていたいですね。
そして、是非、誰かを想いながら観てみてください。
ツレがうつになりまして。
(2011年 日本 121分 ビスタ/SR)
2012年3月31日から4月6日まで上映
■監督 佐々部清
■原作 細川貂々「ツレがうつになりまして。」「その後のツレがうつになりまして。」「イグアナの嫁」(幻冬舎文庫)
■脚本 青島武
■撮影 浜田毅
■音楽 加羽沢美濃
■出演 宮崎あおい/堺雅人/犬塚弘/梅沢富美男/田山涼成/吹越満/津田寛治/大杉漣/余貴美子
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うちの家族は、私とツレとイグアナのイグのちょっぴり変わった家族だ。ツレの性格は超ポジティブ、仕事をバリバリこなし、毎朝お弁当まで作っちゃうスーパーサラリーマン(だった)。一方私は売れない漫画を描きながら、イグに癒され、ツレに守られ、マイペースな毎日を送っていた。しかしある朝、ツレが真顔で「死にたい」ってつぶやいた! 何があったのツレ? 一体どうしちゃったのツレ?
病院での診断結果は、うつ病。仕事の激務とストレスが原因らしい。結婚5年目にもなってツレの変化にまったく気づかないなんて…ゴメンね、ツレ。「会社を辞めないと離婚する!」と私が告げ、主夫となったツレ。バカ真面目で完璧主義な一面に、時々イラっとすることもあるけれど、私は前より明るい性格になれたし、文句も言わなくなったし、病気が教えてくれたことはたくさんある。しかし、収入源がなくなり我が家は貧困街道まっしぐら!そこで私は編集部に行き、大胆発言をした。「ツレがうつになりまして、仕事をください!!」私は、本当に描きたいもの、“私たち夫婦の物語”を描こうと思った――。

夫がうつ病になったことでさまざまな変化を受け入れ、成長していく夫婦の姿を描いた、細川貂々のベストセラーコミックエッセイ「ツレがうつになりまして。」が待望の映画化!ともすれば暗くなりがちなうつ病という題材を明るくコミカルに綴った原作の良さをそのまま取り入れ、人は十人十色、夫婦は百人百色、だから自分たちらしくあろう!という型にはまらない夫婦のあり方ユーモアたっぷりに描いている。
「日本が抱える大きな問題をアッケラカンと吹き飛ばす原作のパワーに魅了された」と原作に惚れ込みメガホンを取ったのは『半落ち』、『夕凪の街 桜の国』の佐々部清監督。脚本の青島武と熟考を重ね、3年越しで映画化を実現した。そんな監督の熱い想いは、大河ドラマ「篤姫」で忘れがたい夫婦を演じた宮崎あおい×堺雅人という最高のキャスティングを引き寄せた。2人が演じる、相手を思いやり、少しずつ前に進んでいく“ハルさんとツレ”夫婦の物語は、現代日本人が求める、今を生きるヒント、幸せを感じるヒントが詰まっている。

アントキノイノチ
(2011年 日本 131分 ビスタ/SRD)
2012年3月31日から4月6日まで上映
■監督・脚本 瀬々敬久
■脚本 田中幸子
■原作 さだまさし「アントキノイノチ」(幻冬舎文庫刊)
■撮影 鍋島淳裕
■音楽 村松崇継
■出演 岡田将生/榮倉奈々/松坂桃李/鶴見辰吾/檀れい(友情出演)/染谷将太/柄本明/堀部圭亮/吹越満/津田寛治/宮崎美子/原田泰造
■第35回モントリオール世界映画祭コンペティション部門正式出品作品イノベーションアワード受賞

高校時代に親友を“殺した”ことがきっかけで、心を閉ざしてしまった永島杏平。3年後、彼は父親の紹介で遺品整理業「クーパーズ」で働くことになる。遺品整理とは、遺族に代わって故人の部屋を片付ける仕事だ。先輩の左相と同世代の久保田ゆきと、初めての現場で遺品整理をしている時、ゆきの手首にリストカットの跡がふと見えた。「そんなに珍しい? 永島君だって、病気だったんだよね?」
命が失われた場所で共に過ごす中で、次第に心を通わせてゆく杏平とゆき。そんなある日、ゆきは衝撃的な過去を杏平に告げる。そして彼の前から姿を消してしまうのだった――。
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2009年に発売され、“遺品整理業”という仕事を通して、もがき苦しみながらも成長する若者を描いた、さだまさし原作の「アントキノイノチ」。幅広い年齢層の感動を呼んだ本書が、『余命1か月の花嫁』の制作チームにより、遂に映画化された。主演を務めるのは、『告白』『悪人』で印象深い演技を残した岡田将生と、『余命1か月の花嫁』での演技が高く評価された榮倉奈々。今最も注目を集める2人が本作で初共演を果たし、スクリーンの中で瑞々しい魅力を放っている。監督は『ヘブンズストーリー』で第61回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞とNETPA賞の2冠に獲得した瀬々敬之。過去に向き合い、そこから一歩ずつでも前に進もうと願う若者を丁寧に描き切った。
人は死ぬときはひとりだ。死はひとりで迎えるしかないのだけど、生きているときは誰かと繋がっていたい――。 本作は、撮影中だった3月11日の震災を乗り越え完成した。「生きること」に絶望した男女が、ともに失われた命や遺されたモノに触れることで、少しずつ生きる勇気を取り戻していく。その姿は、震災を経験した今の日本に、深い感動と希望を与えてくれる。